土地によっては、過去に境界線の測量(建築に伴う現況測量を除く)が行われておらず、
法務局にも地積測量図が備わりついていない(もしくは古い)ケースがあります。
売買等で測量を実施する場合は、
隣地と境界立会を行い、境界線について再確認をします。
その際、土地家屋調査士が境界線について測量・検討をしますが、
最終的には現地にお住まいの方々が一番「境界線に詳しい」という事例をご紹介します。
Bさんの立場になってみていきましょう。
Aさんが土地を売却するという事で、
Aさんが依頼している土地家屋調査士が、Bさんに境界立会の依頼をしてきました。
境界立会当日、
BさんはAさんの依頼している土地家屋調査士より、
「①、②には既設の石杭があり、公図は直線のため、①と②を結んだ延長線の③が境界と思われる」
と説明を受けた。
ここで、気になることが下記のようなことがあります。
- ①②を結んだ延長線である必要があるのか
- 1番と2番の登記面積と実際の測量面積はどうか
土地家屋調査士が境界線を検討する際は、
- 公図の形状
- 地積測量図の寸法確認
- 面積確認
- 占有状況の確認
- その他関係図面、書類の確認
- 関係人の証言
さまざまなことを調査して確認します。
今回の事例では、寸法が確認できる資料が無く、
確認する方法は、立会で協議して確定するということになります。
公図が直線であるから、③が境界線であるというのも一理あり、
建物の方向ともおおむね一致するため、③の境界点で合意して、
互いの境界線とする。というのも間違いではありません。
しかし、
Bさんは過去に、③付近のブロック塀の角が境界線であると、
前所有者である父親から聞いていたことから、
土地家屋調査士にその旨伝えました。
協議の結果、公図形状ともおおむね合致し、
互いの敷地の面積もおおむね合致していることから、
Aさんとの境界線は、②から「ブロック塀の角」につなげて、道路境界線にぶつかった、
④が境界線として確認が完了し、書類の締結が完了しました。
土地の境界線は、
土地家屋調査士が決めるのではなく、
AさんとBさんの境界線について、第三者の立場として意見を言っているにすぎず、
現地にお住まいのAさんとBさんが一番境界線について詳しいということです。
もちろん、言ったもん勝ちで土地を広げようとすることはできません。
- 公図と全く形が合わない
- 占有状況と合致しない
- 面積誤差が片方に偏っている
上記のような事態になると、
法務局へ図面を登記する際、登記ができないということになりかねません。
ですので、
土地家屋調査士は、
- 公図の形状
- 地積測量図の寸法確認
- 面積確認
- 占有状況の確認
- その他関係図面、書類の確認
- 関係人の証言
を鑑みて、境界線の確認を進めます。
公図が直線だから①②を結んだ延長線が
互いの境界線とは限りません。
境界立会・測量の際は、
- ご自宅にある古い図面をお見せください
- 境界線についてお話をお聞かせください
「境界線がここになる」と我々は断言できませんので、
土地所有者様のご協力が必要となります。
もちろん、境界線について不明な場合は、
土地家屋調査士がさまざまな検討を行い、
境界線についてご説明させていただきます。
土地の境界線は、
既存の資料を精査し、専門的な検討も要しますので、
お困りの際は、お気軽にご相談ください。
土地家屋調査士法人トチプラス
池富嗣勇
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